合成木材の豆知識
2話 京町家から学ぶ現在の建築様式
温故知新といいますが、最近の建築様式の中に‘格子’というものが見直され、使用されることが多くなっています。
格子は古くから日本の住宅にはなくてはならないものであった事は言うまでもありません。
広辞苑を見ると、格子とは「木材や竹を縦横、等間隔に編みこんで構成する物」とあります。
京都に今でも見られる古い建物は町家(まちや・ちょうか)といい、外観は紅殻格子(べんがらこうし)と呼ばれる色の濃い格子、虫籠(むしこ)窓、犬矢来などが特徴的です。格子は、窓の廻り・扉・襖・床の間などありとあらゆる部位でお目にかかることが出来、デザイン性もさることながら目隠しや防犯性においての機能も十分加味されていることには大変驚かされます。
その中で今回のマメ知識は、古くから日本文化にとけこんだ格子「犬矢来」を紹介します。
「犬矢来」~いぬやらい~ 皆さん御存知でしょうか?
古い町並みの建物の軒下ちょうど腰の高さから床に構成された格子状のもの。
木で作られた物や竹を曲げて作られた物など一度は見られた事があるのではないでしょうか?この「犬矢来」は「駒寄せ」とも言われ、古き町並みに調和するようデザインされており建物の老朽を防ぐ為にも活躍したものです。
車(昔だから大八車など)の衝突破損を防ぐガードレール機能、雨水の跳ね返しを防ぎ建物壁面の保護、犬や猫の爪とぎ糞などの防御・・・・など機能面でも大変よく考えられたものだったのです。